臨床栄養部は四方賢一部長(医師)、白川靖博副部長(医師)、坂本八千代副部長(管理栄養士)を中心に管理栄養士 計7名の組織です。そのうち5名が糖尿病療養指導士を取得しています。糖尿病センターの一員として食事療養を中心とした療養指導を行い、患者さんの栄養管理と給食管理の両面で栄養サポートをしています。入院中の患者さんにはHACCPに則り、衛生的に管理された安全な糖尿病食を提供することで治療の効果を上げています。
ご自宅でも継続できる食事療法を患者さん、ご家族と一緒に考えます。 2012年からは糖尿病透析予防管理指導を医師・看護師・薬剤師とともにチームで治療に取り組んでいます。 最近では、1型糖尿病患者さんに対してカーボカウントの指導や産科婦人科と連携して妊娠糖尿病/糖尿病合併妊娠患者さんへ分割食による血糖コントロール指導にも力を入れています。
糖尿病カンファレンス(毎週1回)、糖尿病週間イベント(毎年11月)、対外的には市民公開講座、糖尿病シンポジウム等にも参加しています。
糖尿病の治療の基本は、食事療法と運動療法です。さらに患者さんには糖尿病のことを
正しく理解していただくことが重要です。
食事療法と運動療法だけでは血糖コントロールがうまくいかないときに薬物療法(お薬による治療)が始まります。このような治療によって「健康な人と変わらない生活を送る」ことが目標となります。
薬剤師は、病棟担当薬剤師と糖尿病療養指導士を中心として、糖尿病治療チームの一員として活動しています。病棟担当薬剤師は、糖尿病の教育入院の患者さんに対して、個人個人にあったきめ細かな指導を行っています。約2週間の入院期間中に、新たに開始となった糖尿病薬について、なぜこのお薬が必要なのか、どのようにして血糖値を下げるのか、お薬を飲んだり、注射をするとき何に気をつけなければいけないかなどの説明を行い、低血糖対策やシックデイ対策についても指導を行っています。2週間で1クールの糖尿病教室でも、薬剤師は1コマを受け持っています。「糖尿病のお薬・インスリンについて」というタイトルで、糖尿病治療における薬物療法の位置づけ、内服薬の種類と働きの違い、自己注射製剤の特徴、これから販売される新薬についてなど、幅広くお話ししています。糖尿病教育入院中の患者はもちろんのこと、他科入院の患者さんも多数参加され、周術期のインスリン療法についてなど学ばれています。「糖尿病透析予防指導管理料」の算定が始まり、当院でも2012年9月より医師、看護師、管理栄養士を中心として指導を行っていますが、患者さんが希望されたりスタッフが必要と感じた場合は、外来にて薬剤指導も行っています。当日に依頼が来ることがほとんどですが、フレキシブルに対応できるようにしています。
ただいま準備中です。
神経障害は、腎症、網膜症と並び、高血糖状態が続くことにより起こる糖尿病の三大合併症のひとつです。これらを調べる検査として、末梢神経伝導検査を行っています。神経障害の症状としては、手足のしびれや痛み、感覚の鈍麻、下痢や便秘を繰り返す、立ちくらみ、味覚が鈍くなる、発汗異常、尿が勢いよく出ない、勃起障害など、実にさまざまな形で全身に現われます。
また、腎症や網膜症は自覚症状のないまま5年、10年と経過し病状がかなり悪化してから気付くことが多いのに比べて、神経障害は手足のしびれなどごく初期の段階から自覚症状が現われてきます。
放置すると服が着られない、シャワーを浴びることができないほどの激痛に進展したり、逆に神経が麻痺したり、足の壊疽や突然死の原因にもなります。
糖尿病でなぜ神経障害が起こるのでしょう?
高血糖が続くと、体内の余分なブドウ糖のために細胞の活動メカニズムが狂い、神経細胞の中にソルビトールという物質が蓄積され(ポリオール代謝異常)、やがて神経が障害されてしまいます。さらに、高血糖により細い血管(細小血管)の血流が悪くなり、神経細胞が必要としている酸素や栄養が行きわたらなくなることからも神経障害は起きてきます。
このほか、糖尿病で神経障害が起きる原因としては、神経栄養因子の問題、遺伝的素因などが関連していると考えられています。糖尿病のニューロパチーには、感覚優位で左右対称に発症することが多いです。そこで神経伝導検査を行うことで病態を明らかにすることができます。また糖尿病性ニューロパチーは無症状に進行することが多く、症状が出たときには神経の器質的な変化が生じていて治療困難な場合が多いので、無症状のニューロパチーが存在するかどうかを調べることが大切です。
私たち歯科衛生士は、歯科医師とともに糖尿病の“第6の合併症”と称される歯周病について、どういう病気なのか、どう治療・改善すれば良いのか、また歯磨きなどのご家庭でのケア方法についてご説明させていただきます。