厚生労働省の2013年国民健康栄養調査では、糖尿病が強く疑われる人が950万人、予備群を含めると2,050万人に達することが報告され、糖尿病患者の増加がわが国の大きな社会問題となっています。糖尿病内科では、医師、歯科医師、メディカルスタッフ(看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、歯科衛生士)が一体となって協力・連携し、患者様お一人お一人のセルフケアをサポートする「チーム医療」に力を入れています。また、2012年4月の糖尿病センター設立後は、糖尿病診療に関わる各専門科(腎臓内科、循環器科、神経内科、眼科、産婦人科、歯周科など)との緊密な連携により、各科横断的に切れ目のない診療を患者様に提供することを目指しています。
持続皮下インスリン注入療法(インスリンポンプ療法)(CSII: continuous subcutaneous insulin infusion)や持続血糖測定(CGM: continuous glucose monitoring)、リアルタイムCGMセンサーとインスリンポンプを連動させたSAP療法(Sensor Augmented Pump療法)などの最新治療を積極的に導入し、患者様が安心して最新・最適な医療を受けて頂ける体制を整えています(2017年3月現在 インスリンポンプ療法中の患者数:75名、SAP療法中の患者数:31名)。そして、カーボカウント法の習得や生活スタイルに合わせたインスリン注射法など、特に1型糖尿病患者様の治療に力を入れています。2014年4月から「インスリンポンプ外来」(毎週木曜日)を開設しています。インスリンポンプの導入依頼やインスリンポンプ治療に関する疑問など、お気軽にご相談ください。
60歳台 1型糖尿病
【インスリンポンプ導入前 195±78 mg/dL, HbA1c 7.9%】
【インスリンポンプ導入3ヵ月後 128±39 mg/dL, HbA1c 6.5%】
40歳台 1型糖尿病
【SAP導入2週間後 156±74 mg/dL, HbA1c 7.6%】
【SAP導入3ヵ月後 126±62 mg/dL, HbA1c 6.5%】
(2018年3月現在)
当院ではかかりつけ医(総合管理医)の先生方と協力して糖尿病診療を行う「地域医療連携」を推進しています。かかりつけ医の利点(ホームドクターがいるという安心感、全人的な医療、距離的・時間的利便性、訪問看護や介護サービスなど在宅での生活を豊かにするサービスの有効活用)と大学病院の利点(専門性、マンパワー、検査機器の充実など)をそれぞれ生かして、患者様にとってメリットのある医療を提供することを目指しています。連携する医療機関が共通の治療計画のもと「切れ目のない医療」を患者様に提供するために、県内統一の岡山県糖尿病地域連携診療計画書(地域連携パス)を用いた連携医療を推進しています。
糖尿病性腎症は透析導入の原因の第1位(2015年:1万6,072人(43.7%)が糖尿病性腎症から透析導入)であり、患者様の予後および医療費の観点から大きな社会問題となっております。このような状況を反映して、当院では医師、管理栄養士、看護師、薬剤師から構成されるチームで様々な角度から糖尿病性腎症に焦点を当てた療養指導を系統的に行い、糖尿病性腎症から腎不全・透析への進展を予防することを目的とした包括的プログラムをご用意しております。
外来通院中あるいは入院中の方を対象に、2週間を1クールとして糖尿病教室を行なっています。医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、歯科衛生士、理学療法士が、それぞれの専門分野についてきめ細かく応対し、患者様が効率よく糖尿病全般について習得できるプログラムとなっています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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第1日目 | 第2日目 | 第3日目 | 第4日目 | 第5日目 |
担当:薬剤師 | 担当:医師 | お休み | 担当:管理栄養士 | 担当:医師 |
糖尿病のお薬・インスリンついて | 糖尿病とは どんな病気? |
本当はおいしい 糖尿病食 |
糖尿病の合併症 | |
担当:看護師 | ||||
フットケアについて | ||||
第6日目 | 第7日目 | 第8日目 | 第9日目 | 第10日目 |
担当:検査技師 | 担当:看護師 | お休み | 担当:歯科医師 | 担当:リハビリテーション 医師 |
血液検査でわかること | 日常生活について | 糖尿病と歯周病 | 体のためになる 運動療法 |
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担当:医師 | 担当:歯科衛生士 | |||
シックデイ他の病気にかかったら | 歯磨きの方法に ついて |
原則として予約制となっています。
初診の場合でも、総合患者支援センター(地域医療連携室)より予約が出来ますので、初めて受診される場合は、かかりつけの医療機関にご相談の上、紹介状をご持参ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
原則として予約制となっています。
予約外の診察はお待ちいただくことになりますので、予めご了承ください。
特に必要がない場合はには、通常通り食事を摂って受診してください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||||
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午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
和田 淳 (脂質異常症、肥満症) |
― | 中塚 敦子 (脂質異常症、肥満症) |
四方 賢一 | 樋口 千草 | 渡邉 真由 | ||||
渡邉 真由 | ― | 和田 淳 | 担当医 | 宮本 聡 | 野島 一郎 | 江口 潤 (脂質異常症、肥満症) |
通常2週間コースですが、患者様のご都合に応じて1週間コースも可能です。糖尿病についての正しい知識を効率よく勉強し、食事療法・運動療法の進め方などを習得します。残存膵機能(膵臓に備わっているインスリンを分泌する力)を正確に評価し、患者様個々の病態に応じた適切な治療を提案します。また、入院中に糖尿病の合併症についても精査し、必要に応じてそれらに対する治療も行います。
手術や妊娠など、糖尿病以外の病気で入院治療中の患者様に対しても、必要に応じて当科で血糖コントロールを行います。