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糖尿病センター眼科部門として

 眼科では糖尿病の眼合併症を診察、加療します。
 糖尿病の眼合併症は網膜症が広く知られていますが、白内障、続発緑内障、ぶどう膜炎、眼筋麻痺による斜視、角膜障害などさまざまなものがあります。それぞれの担当医師が対応をさせて頂きます。

糖尿病網膜症について

 糖尿病網膜症は成人の失明原因の1位、2位を争う恐い病気です。糖尿病患者の30-50%に発症し、血糖コントロールが不良で糖尿病の罹患期間が長いと発症しやすいといわれています。進行につれて3タイプあり単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症と重症化してゆきます。
 糖尿病網膜症が進行すると眼の中の網膜の毛細血管が閉塞してきます。毛細血管が閉塞するとその部分の網膜は虚血(血流の不足した状態)となり、その状態が続くと網膜から新生血管という血管が発生します。新生血管は網膜から硝子体に伸びてゆき、増殖膜という膜が形成され、それが収縮することにより、新生血管が切れて硝子体出血や牽引性網膜剥離を起こしてきます。
 こういった変化を増殖(図1)といいますが、この増殖を抑えるために光凝固(図2)を行います。それでも、進行が止まらず硝子体出血や牽引性網膜剥離などが生じた重症例では硝子体手術(図3)を行います。最近は重症の増殖糖尿病網膜症に対しては抗VEGF薬をあらかじめ投与しての硝子体手術を行い、術中の出血を抑え、手術を安全に早く終えることに成功しています。
 また、増殖性変化は抑えられても黄斑に浮腫(むくみ)が起こる事を黄斑浮腫(図4)といいますが、こういった場合は硝子体手術をはじめ、抗VEGF薬の注射、ステロイドの除放製剤などの最新の治療のなかからもっとも効果的と考えられる治療を行っています。こういった治療で従来治らなかったものに対しても治療ができるようになり、治療成績が向上しています。しかしながら糖尿病網膜症はいまだに難しい病気であり、すべての患者様が満足いく結果になるまでにはいましばらく時間がかかることと思われます。

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